台湾断片紀行 【後編】
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台湾断片紀行【前編】 - hinwind787’s diary
ここにマンゴーかき氷の写真がある。これは絶品だった。今まで食べたことのない美味さだった。マンゴーが美味しいのだろうが、氷自体も美味しく感じた。シンプルの中にコクがある。コクを楽しんでいると柔らかな氷によってシンプルに戻される。今でもそのお店は営業しているのだろうか。
それからここに「台北101」の写真がある。台北のランドマークである。高さ108メートル、地上101階、地下5階の超高層ビル。「台北101」の名の由来について、100の1つ上を行くという意味があるとガイドさんから聞いた覚えがある。せっかく来たのだから、台北101展望台へ行くことにした。やはり人気の観光スポットであり展望台に行くまでに並ばなければ行かなかった。
30分ほど待ったはずだ。新鮮だった台北101の館内も見慣れた頃、後ろから声を掛けられた。英語だった。振り返ると、中華系の生徒がいた。おそらく修学旅行か遠足かで訪れたようだった。私と同じ高校生か、いや、もっと下にも見えた。何を言われたか全く見当がつかない。旅の大部分の記憶が薄くなっていき覚えてない。が、この時言われた言葉は、わからなかった。忘れたとかではない。その当時もわからなかった。不思議なことに、その時の気持ちははっきりと覚えている。自信を失った。英語の成績は良かった方だった。試験の英語と生の英語は違うとよく言われる。その時、痛感した。ただ、それだけではなく、彼の向上心や英語をいとも簡単に使ってくるその精神力に驚いた。やられた。恥ずかしかった。自分が小さく感じた。「台北101」のような彼に圧倒され、置いてけぼりにされ、ただ観光を楽しむだけで精一杯だった自分を情けなく思った。彼はコミュニケーションを取りたかったのだろうか、何か聞きたいことがあったのだろうか、それすらもわからなかった。
いよいよ展望台への高速エレベーターに乗り、台北市内を眺望した。曇天の空だった。建物が並び、道が通り、山々が見える。しかし私はさほど感動しなかった。全体的な台北市を上から眺望し、どんな街並みなのかを把握するには良いと思う。が、千を一気に見渡すことは、一の体験に敵わなかった。それがわかっただけでもこの街に来た甲斐があった。帰りに台北101の限定お土産を買った。15年ほど経った今でも封を切らずに持っている。
日本でも有名な「鼎泰豊」で昼食をとった。小籠包を食べてお腹いっぱいになった。「ありがとうございました。」と日本語で言われた。こちらも「ありがとうございました。」と返した。親日家が多いと言われる台湾であるが、親日という理由だけでなかなか語学は身につかない。中にはそういった人もいるかもしれないが、やはり、アニメが好きだったり、文化が好きだったり、商売をする為だったり、何かしら意志のある理由があるはずだ。店員さんの笑顔は優しくにこやかだった。もう会うことはないだろうが、旅先で出会った人は今でも元気に生活しているだろうかとふと思う。
人と人が接する時、たとえ店員と客の関係であったとしても、一期一会が濃縮して感じられるのが旅の醍醐味だと思う。
相変わらず外は曇っていたが、遠く北の方は晴れ間が差していた。陽の光が眩しかった。明日は晴れ模様となる見込みで、無事に日本に帰国出来るだろうと思った。【完】
【作者後記】
台湾の旅行はこんなものであった。2泊3日の超ショート旅行。15年もの前の記憶。思い出せることは少ないが、それでも色褪せないことがある。大雑把に計算して3日間は72時間。初日と最終日を削っても60時間あるかないか。旅は非日常である。非日常ではあるが、日常の延長線にあるもので、今までの価値観や知識があるからこそ、それらがひっくり返されり、改めて上塗りされたりする。台湾から帰って来た後、夏休みの宿題が捗った。お陰で提出日に間に合った。良い刺激をもらった台湾には今でも感謝している。私の"アナザースカイ"である。
台湾断片紀行【前編】
初めての海外旅行は台湾だった。ただ、よく覚えていない。なぜ、台湾に行ったのか。沖縄には行ったことがあり、もう少し長く飛行機に乗っていたいという理由だったかもしれない。
台湾は、異文化を感じることが出来、近くてお値打ちな旅行先である。夏休みの宿題を放ったらかしにして台湾へ行った。手元のアルバムにその時の写真が何枚かある。どの写真にも仏頂面で、笑顔を作ることが苦手な私が写っている。アルバムから記憶を辿り初めての海外旅行を思い出せるのであろうか。記憶は時間と共に薄くなっていく。人間の記憶は写真よりも遥かに早く色褪せる。写真は、デジダル保存という手もあり半永久的に残るであろう。ましてや、SNSに投稿すれば拡散されていく。とは言っても、私一個人の記憶は誰も気には止めず、私が忘れれば全ては消失していく。こうして書き残せばせめて今の感情や気持ちを文章に閉じ込めることが出来ると思った。
キャセイパシフィック航空に搭乗した。初めての海外旅行で初めての外資系航空会社だった。乗った瞬間から異国の雰囲気を感じた。最初からCAさんのエプロンが汚れていた。批判をするつもりはない。むしろ、良い思い出となっている。今でも好きな航空会社の1つである。飛行機から空港の建物へはボーディングブリッジを使った。ボーディングブリッジから建物に切り替わる瞬間、床の連結部分を見て、初めて異国の地を踏むのだと思った。しかし、それからどこを歩き、何を思ったか覚えていない。無事に台湾に到着したことに安心していた。これからが旅行の始まりだというのに。
空港は綺麗だった。今では大いに緊張する入国審査もどうだったのか覚えてない。が、入国審査通過後、入国審査官が入っているボックスに目をやると、パソコンの周りには何やら顔写真がたくさん貼られていた。指名手配犯だなと密かに思った。物騒だな。とは思いつつもどこの空港も国際的な施設でありそれなりに安全ではある。旅慣れたことを言っているが、やはり日本の航空機や航空会社を目にすることができる。それが大きな安心材料になっているのかもしれない。
それからはバスに乗った。乗車前、パイロットと写真を撮ってもらった。その写真が手元にある。パイロットの背が高すぎて顔が半分切れてしまっている。残念だ。初めての海外でワクワクしていて、飛行機が好きだった私はかなり興奮していた。「早くしろ。」とバスの運転手に怒られた。小走りでバスに飛び乗った。
バスに揺られる。最初は良かった。空港から台北市内へ進む。ぐわんと遠心力を活かした曲がり方、急ブレーキ、ああ、これは来たな。来た、来た。覚悟した。そう、酔ってしまったのだ。なかなかホテルに着かない。早く着け、早く着けと念じる。窓の外にはいかにも台湾らしい景色がある。タンクトップと半ズボン姿のおじいさんがお店の前に椅子を置いて座っている。酔い覚めを目的に窓の外を眺めていた。台湾にやって来たという感覚。見慣れた漢字は、文章となり、何が書いてあるのかわからない。かろうじて漢字一字を頼りに解読してみるが、自信がない。スマホは持っていなかった。自分を信じるしかない。心細く感じた。台北の街をバスは容赦なく進む。
ホテルにバスが着いた。早く降りなければお尻ぺんぺんされそうな勢いの中、下車し(本当はそんな雰囲気はなく、ただ私自身が切羽詰まってただけかもしれないが)、スーツケースは歩道のアスファルトに引っかかり、宙に浮く。なんとか制御し、よろよろしながらホテルの中に入った。チェックインを済まし、部屋に入り、ベットの上で深い眠りについた。もう何も覚えてはいない。【後編へつづく】
【香港】九龍半島側に泊まってみた!
多くの旅行者にとって香港島に宿泊しようか九龍半島に宿泊しようか悩みの種です。私もそうでした。今回は九龍半島に泊まってみた感想を共有したいと思います。
九龍半島から見た香港島。ビクトリアハーバーの景色。(筆者撮影)
2024年の夏、香港へ行きました。4泊5日の滞在です。(香港で5日もいるのか?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。また後日、滞在日数についてブログを書けたらと思います。)香港へは香港航空を利用しました。香港航空についてもブログを書きましたのでよろしければご覧ください。快適な空の旅でした。【香港】気になる香港航空!快適だった!? - hinwind787’s diary
香港のホテル選び……これが大変です。まずシーズンによってお値段が乱高下。それなりのホテルで1万円代から5万円を行ったり来たり。ホテルの選択は各々の経済力によりますが、香港島か九龍半島、どちらの島で泊まるかは、全ての観光客の悩ましい決断となります。香港は大きく2つのエリアに分かれており、大陸の先端の九龍半島、「100万ドルの夜景」と称されるヴィクトリアハーバーを挟み九龍半島の南にある島が香港島です。九龍半島からは水上フェリーと地下鉄で繋がっています。間に海があるというだけで心理的に離れている感覚がありますが実際は離れていません。目と鼻の先です。私は今回、九龍半島の『 ザ ソールズベリー - YMCA オブ 香港』に宿泊しました。九龍半島の先端、 尖沙咀(チムサーチョイ)に位置しフェリー乗り場までは徒歩圏内という絶好のロケーションでした。何と真隣には『 ザ・ペニンシュラ香港』でした。
『 ザ・ペニンシュラ香港』(筆者撮影)
さて、九龍半島側のホテルは何が良いかというと、夜の香港の熱気を肌で感じることが出来ることです。特に繁華街である 尖沙咀や香港のメインストリートであるネイザンロードの近くに宿泊すれば徒歩で散策することができます。また地下鉄もネイザンロード沿いに走っています。朝ごはんをふらっと食べに行く、またパンを買いに出かけてホテルに持って帰ってくることも出来ました。夜も少々安全に気をつけながら繁華街に繰り出しお土産選びを楽しみました。デメリットととしては空港からの高速鉄道は 尖沙咀駅には止まりません。私は早く移動をしたい派ですので空港から香港駅まで高速鉄道に乗り地下鉄で 尖沙咀駅へ行きました。帰りはその逆です。高速鉄道を使わない手もあります。また行きたい香港、次回は香港島に泊まってみたい気持ちもありますがやはり九龍半島も捨てがい。まだまだ悩ましい香港どちら側に宿泊するか問題でした。お読みいただきありがとうございました!もっと写真を投稿したかったのですが人が多すぎてプライバシー保護の為、断念……すみません。
【香港】気になる香港航空!快適だった!?
昨年香港へ行って来ました。安く行くことは勿論大前提。香港と言えばキャセイパシフィック航空ですが、やはりお高め……香港航空と香港エクスプレスどちらか悩みましたが香港航空が1番安い。ということで、香港航空初搭乗雑感を少し書いていきます。
2024年夏のセントレアと筆者搭乗の香港航空(筆者撮影)
2024年7月、4泊5日で香港へ初めて行ってまいりました。香港で5日もいるのか?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。何日滞在するかは人によりますが、私は5日あっても正直足りませんでした。また別の機会に「香港滞在日数は?」(仮)を書けたらと思います。
15時10分中部国際空港(セントレア)発香港行きに搭乗しました。機材はエアバス330。長年の使用感がある機体で、ピカピカではありませんでしたが、安全であれば問題ありません。座席感覚はやや狭いものの特に窮屈に感じるほどではありませんでした。ただモニターがなかったので今どこを飛んでいるか見当がつきませんでした(笑) 上空から四国を確認することが出来、高知の海岸線をはっきりと見ることが出来ました。坂本龍馬が好きな私は桂浜を一目見ようと思いましたが、地理の知識不足で見逃してしまいました。それからは何やら島がポツポツと見えたり明らかに大きな島が見えたりとしました。予め飛行経路を確認しておけばモニターなしの目視飛行を楽しめるのではないでしょうか(笑)
香港航空からの景色。(筆者撮影)
さて、お楽しみの機内食。パンとコーヒーとボトルでお水が出ました。パンは銀紙で包まれており熱々でした。パンの中にソーセージのようなハムのようなスパムのようなちょうど良い感じの厚さの加工肉が入っていてとても美味しかったです。パンはもちもちで味もありました。あれは何というパンでしょうか。香港航空に乗らないと食べれない、何とも言えない絶品パン、もう一度食べたいです。コーヒーも美味しく疲れが取れました。
行きの機内食。(筆者撮影)
帰りの機内食。このパン、なんとも形容し難い美味しいパンです(筆者撮影)
モニター無しの4時間ほどのフライト。機内でやることは特にありませんが、私は飛行機が好きなので乗っているだけで楽しいです。飛行機好きになるとどのフライトも楽しくなるのがいいですね。香港国際空港は大改修が行われており機内から重機や作業員が作業している様子が見えました。香港国際空港と言えば昔は九龍地区にあった『啓徳空港』でした。私は一度も訪れたことはありませんが着陸のとても難しい空港だと聞いております。「香港アプローチ」と呼ばれビル群すれすれをカーブしていくスリル満点、高難度な空港でした。母の体験談によると着陸後機内では自ずと乗客から拍手喝采が起きたそうです。母からの懐かしい話を思い出していると当香港航空は着陸態勢に入り、香港国際空港へ滑らかなソフトランディングを終えました。
香港航空、事前にネットで調べるとあまり良い評判は拝見しませんでした。しかし、今回実際に乗ってみて快適なフライトでした。機内食のクオリティの評価は人それぞれだと思いますが減点方式ではなく加点方式で良いところを見つけておもしろさを発見していく。そんなスタイルの私は十分に良いフライトでした。お値打ちで安全なフライトでしたのでおすすめします!
【ブログ後記】
香港国際空港は多くの都市を結ぶ巨大空港。帰国便(香港✈︎名古屋)の機内にはタイからの技能実習生が数十人のグループで搭乗していました。(「技能実習生制度」が廃止になり「育成就労制度」になりました。) ニュースや特番で技能実習生が取り上げられ、私の近所にも技能実習生が住んでいます。日本行きの機内での彼ら彼女の様子はいささか不安気に見えました。疲れもあるとは思いますが、親や母国を離れて仕事をし暮らすということは大変なことです。私は楽しく旅行帰り、一方で技能実習生が隣に座る。飛行機は人それぞれの人生を背負って飛ぶ。感慨深いものがありました。お読みいただきありがとうございました!
セントレア滑走路2本目!欧米路線復活か!?
セントレア滑走路2本目着工許可。本格的な24時間運用、国際線増便、LCCの増便を期待する。
夜のセントレア。国内線側。(筆者撮影)
先日セントレア20周年おめでとうブログを投稿しました。中部国際空港(セントレア) 開港20周年!! - hinwind787’s diary
ハタチになったセントレアですが、2月17日の誕生日に国土交通省から滑走路2本目の着工が許可されました。現在の滑走路の東側(新たに埋め立てはしない。)に建設予定とのことです。これにより本格的な24時間運用が期待され、国際線の増便、個人的には欧米路線の復活に期待したいところです。エア・カナダがセントレア就航を考えいるような記事を見たことがあるので楽しみです。結局のところ安い航空券を探すとなると、私はスカイスキャナーでセントレアから羽田or成田経由で海外ということになることが多いです。セントレアを利用することには変わりはないのですが、地元の空港(地元と言っても岐阜在住ですが)で世界各国の航空会社の飛行機を見たいです。
セントレアは飛行機が見やすくまた大きく感じる空港だと思います。ロビーも広々とゆったりとしていて清潔です。アナウンスも空港感満載でお気に入りポイントです。出国審査後のエリアも好きで搭乗まで椅子に座ってぼーっと滑走路やエプロンを眺める時間が好きです。
無事に滑走路2本目の工事が終わることを願っています。
ホノルル便は左の窓側にディズニーホテル!
ワクワクするホノルル便、憧れのハワイ航路、やはり花形フライトではないでしょうか?
という書き出しですが、やはり昭和すぎますかね……
ホノルル便では、CAさんからフライト中は窓を閉めてくださいと言われることが多くなり、日の出や空の景色を楽しむことが難しくなっています。強烈に機内に日光が差し込み他の乗客の迷惑になりますからね……しかし、高度が下がり始め日差しも柔らかくなった頃(オアフ島が見え始め、波がキラキラしているのが目視できる頃)、「 アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ」が上空から確認出来ます!ディズニーキャラクターが登場し、ハワイ唯一のディズニー公式施設となっています。お値段が高く筆者の経済力では泊まることの出来ないホテルですが上空から一目見ることが可能です(笑)
ハワイの伝統建築を参考にしたと思われる建物で、ミッキーたちと南国ハワイでの休日を過ごすことが出来るホテルリゾートです。
いつか泊まってみたいです。宿泊されたことがある方、感想をお聞かせください!
機内からディズニーアウラニホテル(筆者撮影)
中部国際空港(セントレア) 開港20周年!!
2月17日、中部国際空港、通称セントレアは開港20周年を迎えました。おめでとうございます!
後ろにドリームリフターが駐機中。香港航空とセントレア。
2005年2月17日、中部国際空港は、中部エリアの空の玄関口として開港しました。
小さい頃は大きな空港として目に映りました。
今では帰ってくる度にホッととする空港になっています。
セントレアとの思い出はたくさんあります。初めて飛行機に乗ったのは、セントレア発那覇行きでした。全日空のB737のイルカジェットだったと記憶しております。そして日本航空でジャンボジェットB747にもぎりぎり乗ることが出来ました。クラスJでジャンボの最先端の座先に座ったことは思い出です。初海外もセントレアからキャセイパシフィック航空で台湾へ行きました。
中部地方ではB787の部品を多く作っていることから里帰りフライトと名付けられた全日空B787(まだ当時新品のB787でした。)にも搭乗することができました。
旅行だけではなく、セントレアへ遊びに行くこともしばしばで、旅行好き、飛行機好きに空港好きにさせてくれたセントレア。ほっこりと安心する空港です。これからもよろしくお願いします!
B787が展示してあるFlight Of Dreams